健康経営

従業員の健康状態が企業の生産性に大きく影響することが、近年広く認識されるようになってきました。企業が健康関連のコストを評価する際には、医療費だけでなく、生産性の損失も含めたトータルコストとして捉えることが重要です。
職場における生産性の損失には主に2つの側面があります。ひとつは「アブセンティーイズム（欠勤や病気による休業）」、もうひとつは「プレゼンティーイズム（病気や不調を抱えながら出勤し、生産性が低下している状態）」です。
特に注目されているのは、プレゼンティーイズムによる損失であり、これは企業にとって見えにくいながらも大きな負担となっています。医療費とあわせて、こうした生産性損失を含む健康関連コストを削減するための戦略は、企業にとって極めて重要です。
このような取り組みは、従業員の健康改善に貢献するだけでなく、業務パフォーマンスの向上を通じて、企業の業績向上にも寄与することが示されています。そのため、企業は従業員の健康問題に備え、予防的かつ継続的な健康支援の体制を整える必要があります。

業種によっては、人身事故や物損事故などのリスクが常に伴う場合があり、こうしたリスクを幅広くカバーできる保険への加入が不可欠です。たとえば、現場での作業中に第三者にケガを負わせてしまったり、他人の所有物を破損してしまった場合には、「請負業者賠償責任保険」や「PL保険（生産物賠償責任保険）」が有効です。
また、役員・従業員のケガや死亡事故、工事資材の盗難・破損・紛失といったリスクにも備える必要があり、特に建設業では多様なリスクに対応する保険の整備が求められます。

当社では、業種や業務内容に応じて必要な保険とその補償内容についてご案内しています。思いがけないリスクに備えたい経営者・ご担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

業務に起因する健康障害は「労働災害」として扱われ、企業が適切な注意義務を果たしていなかった場合には、損害賠償責任を問われることになります。
一方で、労災保険制度では、企業に過失がなくても、労働災害に対して補償が行われる「無過失責任」の原則が適用されます。
近年では、長時間労働に起因する脳・心臓疾患に加え、メンタルヘルス不調についても業務との関連性が認められ、労災申請の件数が増加傾向にあることが厚生労働省から公表されています。
こうした背景から、労働時間など「量」の管理だけでなく、精神的な緊張やストレスといった「質」への配慮も、企業に強く求められています。
特にメンタルヘルスの領域では、管理職による「ラインケア」――部下の心理的負担への配慮、メンタル不調の早期発見と適切な対応――の重要性が高まっています。
このため、管理職向けのメンタルヘルス研修は、現代の企業活動において欠かせない取り組みとなっています。